約 1,869,355 件
https://w.atwiki.jp/sankaiou/pages/37.html
ファンチュウ商賈 船名:リベルター・ソーロ アリツやラファエラはルェアイを襲って勝利すると価格が倍に跳ね上がるので注意。資源交換レートも悪くなる。 逆にアルヴィドだと安くなる。 ボルハの場合、船体スキル『領主権力』で割引きされる。 秘宝 イベント進行のための『重要秘宝』や策略が使用できるようになる『策略秘宝』などを販売。 策略詳細は策略参照。 重要秘宝品名 価格 販売編 販売時期 紅き円蜜餅 財宝100 アリツ 獣竜の島3に進入後 脱力薬 財宝1000 ラファエラ 仲間アニエスイベント後 茄子蒟蒻 財宝1500 アルヴィド 海洋侯の遺跡制圧後 疲労回復薬 財宝1000 ボルハ 仲間アニエスイベント後 導きの水晶 財宝1500 全編 2周目以降 策略秘宝品名 価格 販売編 販売時期 巨大岩配置 財宝500 全編 初期販売 巨大岩撤去 財宝500 全編 初期販売 強制帰還 財宝1000 全編 円環2つ以上所持 全軍強制帰還 財宝2000 全編 円環3つ以上所持 勢力強制帰還 財宝3000 全編 2周目以降 円環6つ所持 軍団転移 財宝1000 全編 円環2つ以上所持 移動妨害 財宝200 全編 11T以降 危険種呼寄せ 財宝200 全編 21T以降 闇商人招致 財宝200 全編 31T以降 船体加速 財宝1500 アリツ 小隕石招聘 財宝1500 ソーニャ 布教 財宝1500 アニエス 強制再行動 財宝1500 ラファエラ 初期無確認 24T円環x6時確認 呪い アルヴィド 工作員派遣 財宝1500 ボルハ 円環x2 進化秘宝品名 価格 販売編 販売時期 投石機設計図 鉱物1200+木材1200 ソーニャ 部隊 販売している部隊は、『雇用可能部隊』と『販売専用部隊』がある。 雇用可能な部隊を『財宝100+雇用資源の10倍』、ルートでは雇用不可な部隊を高値で販売している。(例外あり) 初期レベルはやや高いが普通に雇用した方が断然安い。また、ルェアイを襲うと価格が変動する。 下記表は雇用可能部隊を省略(視認性の為)。 部隊の詳細はユニット参照。 販売専用部隊 ターン数(3n+T)で品揃えが変化する。 T 品名 価格 販売編・条件 1 アマゾネス 財宝3000 アリツ以外 ストーンゴーレム 財宝3000 ソーニャ以外 天使グラキエル 財宝3000 アニエス以外? グレーターデーモン 財宝3000 ラファエラ以外 ヴァンパイア 財宝3000 アルヴィド以外? 水牛騎士 財宝3000 ボルハ以外 2 エンジェル 財宝1500 3 レッサーデーモン 財宝1500 資源 各資源を相互売買可能。以下は基本価格。アリツやラファエラで襲うと全て+50される。 アルヴィドの場合BugBug商船と同様のレートになる。 入手資源 鉱物 植物 財宝 家畜 魔品 木材 水 鉱物100 - 200 100 200 150 200 200 植物100 200 - 100 200 150 200 200 財宝100 400 400 - 400 300 400 400 家畜100 200 200 100 - 150 200 200 魔品100 300 300 200 300 - 300 300 木材100 200 200 100 200 150 - 200 水100 200 200 100 200 150 200 -
https://w.atwiki.jp/p777/pages/387.html
ドキッと!ビキニパイをお気に入りに追加 [PR]借金問題等の夜間相談 情報1課 <ドキッと!ビキニパイ> #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット 保存課 <ドキッと!ビキニパイ> 使い方 サイト名 URL 成分解析課 <ドキッと!ビキニパイ> ドキッと!ビキニパイの51%は優雅さで出来ています。ドキッと!ビキニパイの49%は心の壁で出来ています。 情報2課 <ドキッと!ビキニパイ> #technorati 外部リンク課 <ドキッと!ビキニパイ> ウィキペディア(Wikipedia) - ドキッと!ビキニパイ ぱちんことは ぱちんこの33%は税金で出来ています。ぱちんこの23%は歌で出来ています。ぱちんこの21%は愛で出来ています。ぱちんこの11%は勢いで出来ています。ぱちんこの6%は成功の鍵で出来ています。ぱちんこの4%は元気玉で出来ています。ぱちんこの1%は白インクで出来ています。ぱちんこの1%は下心で出来ています。 パチスロとは パチスロの26%は祝福で出来ています。パチスロの24%は微妙さで出来ています。パチスロの12%は真空で出来ています。パチスロの10%は赤い何かで出来ています。パチスロの8%は時間で出来ています。パチスロの6%は税金で出来ています。パチスロの6%は下心で出来ています。パチスロの3%は犠牲で出来ています。パチスロの3%は玉露で出来ています。パチスロの2%は電波で出来ています。 攻略とは 攻略の半分はやましさで出来ています。攻略の27%は心の壁で出来ています。攻略の12%は濃硫酸で出来ています。攻略の7%は罠で出来ています。攻略の2%は睡眠薬で出来ています。攻略の1%は苦労で出来ています。攻略の1%は世の無常さで出来ています。 256-5813_02.jpg 無限∞エダマメ豆しばバージョン2 ページ先頭へ ドキッと!ビキニパイ このページについて このページはドキッと!ビキニパイのインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるドキッと!ビキニパイに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先には学生・未成年の方には不適切な表現内容が含まれる場合があります。またリンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/cosmicbreak/pages/3114.html
アリーナで落ちてたリリレインのビキニを拾ったわけですが、使用効果はよくわかりませんでした。 -- (名無しさん) 2012-06-10 17 57 19 ビキニのリリとクリムは、撃破時にうずくまってビキニを落とすのですが、効果は不明。ちなみに、リリの方が胸が大きい。 -- (名無しさん) 2012-06-11 03 34 00 水着はチームメンバー全員がHP50回復だと思われ。チムファで検証。野郎どもはともかくなぜ女も回復するのか・・?(´・ω・`) -- (ぷに) 2012-06-11 04 12 49 ↑つまり女は百合かば・・・おっと、誰か来たようだ -- (名無しさん) 2012-06-13 04 17 03 アンチアンチホーミングと変態誘導性能のおかげで、35でなめプしてるセラフにはガスガス当てれるようになった。 しかし4上じゃ弾速遅すぎてお話になりませーん。(´・ω・`) -- (ぷに) 2012-06-16 04 44 36 4↑で当てられないのは、腕がないだけかと。十分4↑で戦える強機体。スパイクのロックが遅いのがたまに傷。 -- (名無しさん) 2012-08-18 00 05 53 最大余剰430、Wクイックにブーチュンも完備、ショトブとフロDの選択も可能メインは手持ちに依存する為モニカやミアリーに比べて特化した対応は取りづらいが、汎用性という点では破格のS砲と言えるだろう -- (名無しさん) 2012-09-02 18 56 47 十分4↑で戦える強機体 どこにいんのよ・・ 誘導兵器で腕とか言ってるあたり参考にもならん。 35ではあきらかに強機体だが、4↑ではDPS、防御能力共に特化した部分が無く、こいつ出すなら他でいいんじゃね?というのが結論だと思う。 -- (名無しさん) 2012-09-03 00 09 50 他でよくね理論は突き詰めると4↑に砲補の居場所なんて無いっつー結論にしかならんからやめれ というかあくまでビキニリリのページなんだからビキニリリについて判明した事の報告や運用方法の考察をして欲しいんだが ↑2でも書いた通り拡張性は兎も角汎用性は高い 内蔵サブは数値に出ない部分で差異があるが、カタログスペックにおいてはトイ子のサブ(強化2)と同等の性能となっており 内蔵強化が無い分キャパや他カトに回す事が出来るのでトイ子と比べて重装備が可能 チューンしたブラレ改やポンバズなどを使いつつ要所要所でスパイク、という立ち回りがこの機体の基本となるだろう -- (名無しさん) 2012-09-03 10 54 44 ↑スマヌ(´・ω・`) 条件は厳しい(WLK切りしてる&高速離脱手段を持ってない機体)が、中距離からスパイクでハメれる事がある。 アタック~→スパーン→アタック~→(繰り返し)でなかなか気持ちよい。 -- (名無しさん) 2012-09-03 21 54 46 上のそれをやられて 水辺から出られなくて泣いた覚えがある -- (名無しさん) 2012-09-03 22 34 27 アクアウォークが地味においしい 格陸は(一部除いて)近寄って来ないし寄ってきたらスパイクで押し返せる 空戦は(一 部 除 い て)そもそも狙い目なので叩き落として池ポチャさせてやると良い 活かせるMAPが少ない事が残念だが非常に便利 -- (名無しさん) 2012-09-07 11 55 01 深淵攻略中に操作ミスでレーザーに突入、被撃墜となった際にビキニのドロップを確認 どうやらビキニはモード問わず必ず落とす模様 -- (名無しさん) 2012-09-08 23 19 40
https://w.atwiki.jp/touitusen/pages/91.html
2統一はフレ戦でしか出来ない為、このような項目を作らさせてもらいました 連絡用・対戦申し込み用に是非活用してください ポケモン 50音順 編集は誰でも自由に行って構いませんが、基本的には統一パの持ち主が載せてください 持ち主以外が編集する場合は、かならず当人に掲載許可をとってください なお、ポケモンリストの方に記入していた方はこちらに徐々にうつさせてもらいます 各々でやってもらえると非常に助かります ポケモン 所持者 連絡先 アーマルド アオバ ニコニコミュニティ Twitter ブログ アギルダー You ニコニコミュニティ Twitter ブログ アバゴーラ 絶滅 ニコニコミュニティ Twitter ブログ アメタマ べるき ニコニコミュニティ Twitter ブログ ウインディ LEN ニコニコミュニティ Twitter ブログ エムリット ロビン ニコニコミュニティ Twitter ブログ エモンガ アニエス ニコニコミュニティ Twitter ブログ エルレイド 黒薔薇 ニコニコミュニティ Twitter ブログ メロンパ ニコニコミュニティ Twitter ブログ エレキブル セナ ニコニコミュニティ Twitter ブログ エンペルト そんぐん ニコニコミュニティ Twitter ブログ オーダイル ワニ ニコニコミュニティ Twitter ブログ オーベム ほいみそ ニコニコミュニティ Twitter ブログ オオタチ なぎさ ニコニコミュニティ Twitter ブログ オコリザル やみメド ニコニコミュニティ Twitter ブログ カイオーガ You ニコニコミュニティ Twitter ブログ ガブリアス ぷー@ ニコニコミュニティ Twitter ブログ キャタピー ほいみそ ニコニコミュニティ Twitter ブログ キングドラ You ニコニコミュニティ Twitter ブログ クチート ヤマシタ ニコニコミュニティ Twitter ブログ グライオン あきな ニコニコミュニティ Twitter ブログ クロバット ヨシキ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ココロモリ ピスタチオ ニコニコミュニティ Twitter ブログ コジョンド アイシャ ニコニコミュニティ Twitter ブログ コロトック ちゆ ニコニコミュニティ Twitter ブログ サニーゴ T.H♂ ニコニコミュニティ Twitter ブログ サーナイト 黒薔薇 ニコニコミュニティ Twitter ブログ さゆっと ニコニコミュニティ Twitter ブログ アニエス ニコニコミュニティ Twitter ブログ T.H♂ ニコニコミュニティ Twitter ブログ みなり ニコニコミュニティ Twitter ブログ サンドパン klm ニコニコミュニティ Twitter ブログ タイショウ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ジバコイル アオバ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ジャローダ アニエス ニコニコミュニティ Twitter ブログ シャワーズ SUN ニコニコミュニティ Twitter ブログ ジュカイン @nizi ニコニコミュニティ Twitter ブログ ゼクロム シキ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ゾロアーク シキ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ダストダス ヨシキ ニコニコミュニティ Twitter ブログ タブンネ ちゃま ニコニコミュニティ Twitter ブログ さゆっと ニコニコミュニティ Twitter ブログ チルタリス しにたま ニコニコミュニティ Twitter ブログ チラチーノ ロビン ニコニコミュニティ Twitter ブログ ツンベアー ぴっと ニコニコミュニティ Twitter ブログ ディアルガ あまらく ニコニコミュニティ Twitter ブログ テッポウオ ノエ ニコニコミュニティ Twitter ブログ デリバード ほいみそ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ドンファン さゆっと ニコニコミュニティ Twitter ブログ ニドキング @サイモン ニコニコミュニティ Twitter ブログ ロビン ニコニコミュニティ Twitter ブログ ニドクイン ロビン ニコニコミュニティ Twitter ブログ ヌオー あんどれ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ノクタス ピスタチオ ニコニコミュニティ Twitter ブログ バイバニラ ちゆ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ハガネール さゆっと ニコニコミュニティ Twitter ブログ ピカチュウ T.H♂ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ヒマナッツ ほいみそ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ビリジオン Vogel ニコニコミュニティ Twitter ブログ ブースター てんちょう ニコニコミュニティ Twitter ブログ ぴっと ニコニコミュニティ Twitter ブログ ブーピック tky ニコニコミュニティ Twitter ブログ プクリン ちゆ ニコニコミュニティ Twitter ブログ フライゴン サーガ@ウサギ委員 ニコニコミュニティ Twitter ブログ フワライド 秋 ニコニコミュニティ Twitter ブログ プリン ちゆ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ペラップ たくみ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ポッポ ほいみそ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ポリゴンZ エリックス ニコニコミュニティ Twitter ブログ マイナン rei ニコニコミュニティ Twitter ブログ マッギョ みなり ニコニコミュニティ Twitter ブログ マリルリ You ニコニコミュニティ Twitter ブログ ミカルゲ アジタ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ミノマダム ぐんそー ニコニコミュニティ Twitter ブログ ミミロップ アジタ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ムウマ しんしT ニコニコミュニティ Twitter ブログ ムクホーク Vogel ニコニコミュニティ Twitter ブログ メガニウム たくみ ニコニコミュニティ Twitter ブログ ランクルス さゆっと ニコニコミュニティ Twitter ブログ リングマ トチジ ニコニコミュニティ Twitter ブログ レシラム アニエス ニコニコミュニティ Twitter ブログ レディアン そら ニコニコミュニティ Twitter ブログ ロトム かける ニコニコミュニティ Twitter ブログ 各ポケモンのページへ飛べるようにしてみました。 少々見づらくなったかもしれないので邪魔だったら消しちゃってください ↑助かります、ありがとうございます テーブルを作ってみました。コピペミスってたらごめんなさい;d
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3414.html
お姫様のご命令で、メイド――もとい女騎士様のお供をする事になった俺とマチルダ。 気の強そうな顔立ちをしてると思ったが、中身もまんまガチガチでやんの。 マチルダがなんとか上手く取り持ってはくれてるが―― ま、引き受けた以上はやるだけのことはやるがね。 宵闇の使い魔 第弐拾参話:Dusky Link 異世界であっても夜は暗い。 いかに魔法によって気軽に火や明かりを生み出せる世界であっても、夜の世界を侵食できるほどの力は持っていないのだ。 故に、人は夜を恐れるのが常である。 しかしその一方で、常に当てはまらない者達が居ることも事実である。 異世界から呼ばれし異形の術を使う剣士、長谷川虎蔵。 《土くれ》のフーケの名を持つ快盗、マチルダ・オブ・サウスゴータ。 トリステイン女王アンリエッタの懐刀、アニエス。 アンリエッタの密命を受けた三人は、夜の闇に紛れてとある貴族の屋敷へと忍び込んでいた。 この屋敷は今夜、主が出かけている事もあり警備人員が少ない。 更に、マチルダの手元には屋敷の間取りが書かれた羊皮紙も準備されている。 全てアンリエッタとマザリーニの手による物だ。 今は足を洗ったとはいえ、マチルダはハルケギニアでも屈指の快盗である。 此処までお膳立てされていれば鼻歌を歌いながらでも忍び込めるというものだ。 目的は屋敷の主である貴族の裏帳簿である。 此処暫く、妙に金遣いが荒いという情報を得たアニエスが調査を主張したのだ。 虎蔵やマチルダは、いかに裏帳簿とはいえ敵側からの賄賂の情報が乗っているとは思えないと意見したのだが、彼女は今は少しでも情報が欲しいと意見を押し切った。 確かに、此処暫くの調査では思うように情報が手に入っていないのは事実なのだ。 アニエスが未だにシュヴァリエとして認可されていない以上、派手な調査活動は出来ない。 せいぜい城下町の盛り場や裏路地で探りを入れる位のものだ。 前者はマチルダやアニエスが遊んでいる風の格好で盛り場に出入りし、男を引っ掛けて。 後者は裏路地で屯すならず者達を虎蔵が締め上げて。 はっきり言って、どちらも致命的に効率が悪い。 更に言えば、アニエスは男に免疫が無い訳ではないが慣れているとも言いがたく、成功率はかなり低い。 その中で、虎蔵が暇つぶしがてらに口説き落とした酒場女から偶然得られた情報がそれなのだった。 「どうよ」 「五月蝿い。少し待て――」 書斎で意外なほどにあっさり見つかった帳簿を眺めるアニエスに、暇そうにした虎蔵が声をかけるのだが、アニエスは真剣な様子で帳簿を眺めながらしっしっと手で追い払う。 虎蔵は肩を竦めて本棚を物色するマチルダへと視線を移した。 この潜入の決め手となった情報を持ってきた当初は妙に機嫌が悪かったのだが、この本棚を見てだいぶ回復したようだった。 快盗時代の本能を刺激されているのだろうか。 もっとも、潜入がばれて今後のこういった行動がしにくくなるのは面倒である。 金目の物があってももって行くことは出来ないのだが―― 「ふぅん、意外と良い物が揃ってるじゃないか――この辺りの貴族の蔵書にしちゃ、モット伯に次ぐかもしれないね」 「こんな量でか?」 「価値のある本が何冊あるか、さ。だいたい有象無象の本なら、書斎とは別の所に溜まってる可能性もあるだろう?」 そりゃそうだ、と虎蔵も本棚の前に立って背表紙を眺める。 もっとも、文字は読めないので特に意味のある行動ではないのだが―― 「って、こいつぁ――」 「ん? なにか珍しい物でもあったのかい?」 驚く虎蔵にマチルダが近づいてきて、彼の視線の先を覗き込む。 身長差から彼女の髪の香りが虎蔵の鼻に届くのだが、"女性経験の少ない高校生"などではない彼は特に気にすることもなかった。 一方マチルダは虎蔵が眺めていた本を発見するのだが、その背表紙に形の良い眉を顰めてしまう。 決して如何わしい言葉が書かれていたわけではない。 単純に、読めないのだ。 「これは――文字、かい?」 「同心円と極地の空洞帯――って書いてあんな」 首を傾げるマチルダに対して、虎蔵があっさりとそれを読んでしまう。 読み書きが出来ない筈の虎蔵が、だ。 マチルダは一瞬きょとんと虎蔵を見つめるが、すぐに得心が行った様子で指を鳴らし――かけて止める。 一瞬潜入調査中であると言うことを忘れていた節があるが、すぐに思い出したようだ。 「召喚されし書物」 「呼び方は知らんがな。俺の世界か、それに近い世界の本だな―― 同じ物を美津里の倉で見た気がするんだが、中身は思い出せん」 「美津里?」 「なんで其処に食いつくんだよ――元の世界で色々と面倒を持ち込んでくれた奴だよ。古物商でね」 ふぅーん、とまた機嫌が悪くなりかけるマチルダだが、それ以上にその本が気になったようだ。 虎蔵の脇腹を突付いて説明を求める。 同心円と極地の空洞帯―― 虎蔵の世界では一般的に世界は球状をしていると認識されており、その球の中身は詰まっていると考えられている。 だがこの本では、球は中空であり内側の凹面は人間などの居住が可能だと語られているという。 地球空洞説というらしい。 「内側の世界が此処だって?」 「可能性は、な。奴の受け売りってのは腹立たしいが―― 穴が地殻に存在するもんだから、便宜上空洞って言ってるだけでな。 実際はなんらかの回廊で別の宇宙にある惑星――ま、ざっくりと言ってしまえば異世界と繋がってるって訳だ」 「アンタは兎も角、こいつやゼロ戦だっけか? あれの持ち主は、その穴を通って来た――かもしれない、と」 理解の早いマチルダに、虎蔵は頷いてみせる。 とはいえ―― 「仮説の域を出んがな。とはいえ、これの著者とは別だが、穴の先の世界には二つの太陽がって言ってた奴もいてな。 ま、此処は太陽じゃなくて月だが」 「そりゃ――偶然にしちゃ、ちょっと出来すぎてるね」 「だろ? ま、なんにしても俺にはさっぱりだが」 ギブアップと言わんばかりに両手を挙げる虎蔵。 マチルダは此処まで煽っといてそれかい、と飽きれてしまう。 「仕方あるめぇよ。こちとら人を殴ってなんぼの仕事しかしたことが無いんだ」 「あんたらしい。っと、そういえば――確かに他にも幾つか聞いたことがあったね。 文字だけの、精巧な絵だけのと色々あるらしいけど――興味が?」 「俺がそうそう本なんぞ読むように見えるか?まぁ、"厄介な本"じゃあないことを祈るばかりだね」 マチルダはアンタらしい、と笑って肩を叩いて物色へと戻っていった。 一方でアニエスは帳簿から書斎机の引き出しの物色を始めている。 一つ一つ引き出しを開けては、中に入っている羊皮紙や手紙を慎重に調べているようだ。 時折何かをメモしているのは、次の調査対象といったところだろうか。 「これは――」 だが突然、アニエスが先程の本を発見した虎蔵のように声を上げた。 よほど驚く何かが見つかったのか、声のボリュームが少し大きい。 ぬ、と慌てて口を押さえるが、幸いにも何者か書斎に近寄って来るような気配は無い。 虎蔵は手でOKを示してアニエス元へと向かった。 マチルダもまた、やれやれとため息をつきながらやってくる。 「そんなに驚くほどの物が見つかったって?」 「あぁ――これだ」 アニエスが二人の視線の先に晒したのは一通の封筒。 その声色、目付きからしてそれなりの発見と言うことなのだろうか。 もっとも、決定的な証拠などが手紙などという形で残っているとも考えにくいが。 「リッシュモン――高等法院長だったね」 アニエスはその通りだ、と頷きながら封筒から手紙を取り出した。 だが、その中身に書かれていたのは観劇がどうのこうのといった当たり障りの無い文面のみである。 アニエスは僅かに眉根を寄せて考え込む。 「同じ国の貴族同士なら、手紙のやり取り位しても不思議は無いんじゃないか?」 「この二人の間に、私信をやり取りするような繋がりは無かった筈だが――」 虎蔵の指摘も、腑に落ちないようで何度もその文面を確認する。 だが、何かの暗号が潜んでいる様子も無い。 本当にただの私信だというのだろうか。 いや、そうは思えなかった。 理由は無く、ただなんとなくでしかない。 だが、この手紙の裏に薄っすらと何かが透けて見える気がするのだ。 そして何度目かの読み返しで、彼女はある事に気づいた。 当たり障りの無い文面の中にある数少ない明確な固有名詞に。 「タニアリージュ・ロワイヤル座、トリスタニアの休日――か」 「流行の演劇だろう? それがどうかしたのかい」 「いや、少し気になってな――さて、少し長居し過ぎた。そろそろ引き上げよう」 二人にはさっぱりだが、彼女には薄っすらと敵への繋がりが見えたのかもしれない。 それまでの調子が嘘のように口元に笑みを浮かべると、手紙を封筒へと戻した。 マチルダは虎蔵に向かって肩を竦めて見せると、調査の痕跡を消す作業に入る。 その後三人は無事屋敷を抜け出し、帰宅した貴族が侵入者に気づくことも無かったという。 一方、時と場所が変わって魔法学園。 虎蔵をアンリエッタに貸し出したルイズは、やや退屈ながら平和な学園生活を送っている。 《虚無》に目覚めた影響なのか、初歩のコモンスペルならば使えるようになった。 更に虎蔵やキュルケ、タバサらの影響で性格も少しずつ丸くなり、 散々《ゼロ》と馬鹿にしてきたクラスメイト達とも少しずつ打ち解けてもきた。 今までのことを思えば、怖くなるくらいに幸福な日々であるとすら言える。 とはいえ、そんな日々も何日かたてば飽きがくる。 キュルケとタバサがふらりと何処かに出かけてしまったこともあり、これといった話相手がいないのだ。 シエスタとも比較的話すようにはなっていたが、彼女には仕事がある。 そうそう邪魔をする訳にもいかない。 「と、言うわけなんです」 「まぁ、構いはしないがね。しかし、此処に居ても同じくらい暇ではないかね?」 そこでやってきたのがコルベールの研究室であった。 彼はここ数日、タルブ村から運ばれてきた《ゼロ戦》の整備に掛かりきりになっていたが、それを眺めるのは一人でボーっとしているよりはよっぽど良い暇つぶしにはなっていた。 彼は作業をしながらも話相手にはなってくれるし、時には手伝わせてもくれる。 なにより、虎蔵の世界の物に興味があった。 彼の話では、この金属の塊がシルフィードよりも早く飛べるというのだ。 興味が湧かない方がおかしい。 「そんなこと無いですよ。少なくとも、此処意外では見れるものでもないですし――でも、本当に飛ぶんですか、これ」 「飛ぶ、だろうね。少なくとも、彼の――虎蔵君の話を聞いた限りでは、納得できる理屈ではあったよ」 「理解できたんですか?」 「あぁ。もっとも、詳細な部分で疑問は尽きないがね。 少なくとも、私の発明の延長、その派生にこれが存在することは間違いない。 ならば、信じる以外の道は、私には存在しないよ」 機体の下から這い出してきたコルベールが、ぽんぽんとエンジンが納まっている部分を叩いて語る。 ルイズとしては、コルベールが言うならそうなのかも知れない位にしか考えられないが、彼の目にはこのゼロ戦が空を舞う姿が映っているのだろう。 「おっと、そうだ。ミス・ヴァリエール、一つ頼まれてくれるかな?」 「はい? えぇ、構いませんけど」 「ミスタ・グラモン――ギーシュ君を呼んで来てくれないかい」 「ギーシュを?」 背の高い椅子からひょいと飛び降りながらも、コルベールの口から出てきた意外な名前に首を傾げる。 ギーシュは決して無能という訳ではないし、ゴーレム創造にいたっては優秀とすら言って良い。 多少性格に――主に女性がらみの――難はあるが、教師に呼び出されるような事は滅多に無いはずだ。 「あぁ、彼にはこれの整備を手伝ってもらっていてね」 「ぇッ、本当に?」 「彼は練金が得意で手先も器用だからね。飲み込みも悪くない」 はぁ、と納得したようなしていないような微妙な表情で研究室を出て行くルイズ。 どうしてもコルベールのように顔を汚しながらゼロ戦の整備をするギーシュが想像出来ずに、何度も首を捻りながら歩き始めた。 「とりあえず部屋かしらね――」 ギーシュの部屋の前までたどり着くと、中からは談笑が聞こえてきた。 この声はギーシュとモンモランシーだろう。 無駄足にはならなかったようだ。 「ギーシュ、ミスタ・コルベールがお呼びよ」 逢引中に間が悪かったわね、などと思いながらドアをノックするルイズ。 《アン・ロック》も既に使うことは出来るのだが、流石にキュルケのように問答無用で押し入ったりはしない。当然だが。 するとすぐにドアが開き、ギーシュが顔を出した。 なぜか手にはワイングラスを持っている。 「おや、ルイズ。何故君が?」 「暇潰しに《竜の羽衣》を見に行っててね。それで頼まれたのよ。研究室に来てくれって」 「あぁ、なるほど――うーん――」 ルイズによる伝言に、ギーシュは手元のワインと部屋の中でテーブルに座り、妙に不機嫌そうにしているモンモランシーを見比べた。 行くべきか行かぬべきか迷っているといった所だろう。 「相手は一応先生なんだから、さっさとそれ飲んで行った方が良いんじゃないかしら?」 基本的にルイズはクラスで一番真面目な性格をしている。 授業とは関係ないとはいえ、教師に呼び出されているなら行くべきだろうとギーシュを促しただけだ。 他意はない。 そしてギーシュも、それもそうだね――と言ってグラスを口元へと近づけようとするのだが―― 「ちょッ、駄目ぇぇッ!!」 それを見たモンモランシーは、二人が驚くほどの声を上げてそれを止めた。 二人はぎょっとしてモンモランシーへと視線を向ける。 「あ、いや、その――ほら、先生の所に行くのにワインの匂いをさせているのも、ね?」 するとモンモランシーはなぜかしどろもどろになりながら席を立ち、ギーシュの手からグラスを取り上げる。 あまりの挙動不審っぷりに二人は声も出ない。 「ほ、ほら、ギーシュ。ミスタ・コルベールがお呼びなんでしょう? 早く行った方が良いんじゃなくて?」 「あー――あぁ、そうだね。うん。じゃぁ、モンモランシー。また後で」 「えぇ。片付けは私がしておくわ」 だが其処は流石のギーシュである。 しっかりとモンモランシーの手の甲に軽くキスをしてから部屋を出て行った。 しかしルイズはその場に残り、ふぅーん――と妙な声を漏らしながらモンモランシーを見つめている。 「ま、まだ何か用があるのかしら?」 「あやしい、わ、ねぇ――――」 「な、何のことかしらぁ?」 ギーシュから取り上げたグラスを背中に隠すように持って、ルイズの視線から逃れるように明後日の方向を見る。 だがその視線の先には壁しかないのだから、怪しい事この上ない。 誤魔化すにしても、もう少し上手く出来ないものかとすら思う。 決して器用ではない――というより、明らかに不器用なルイズをしても、だ。 「それよりも、ほら。もう用は無いでしょう? さっさと出て行って頂戴!」 「あら、良いじゃないの。少しお話しましょうよ」 「あ、貴女、ちょっとキュルケに似てきたわよ――」 少し前まで勉強の虫の様だったルイズがチェシャ猫宜しく笑みを浮かべながら近づいて来る。 それを見たモンモランシーは思わずキュルケの名前を出してしまったのだが、それが彼女の運の尽きだった。 「なッ、なぁーんですッてぇー!!」 最近は仲良くなってきている。 ご先祖様には申し訳ないが、十分に友人と言っても良いだろう。 しかし、そうは言っても素直でない事にかけてはハルケギニアでも指折りのルイズである。 他人の口から指摘されるのは我慢がならない。 自分がほんの少しでもそれを認めてしまいそうな所がある分、尚更だ。 故に、何時もの様にあっという間に頭に血が上ってしまう。 「い、言うに事欠いて誰に似てるですッて!!」 「え、いや、そのー」 ずんずんと詰め寄ってくるルイズに、モンモランシーはおたおたと後ろに――部屋の奥へと追いやられていく。 非常に拙い状況だ。 彼女の頭の中では今、最悪の状況がシミュレートされている。 このまま情けなく後ろに下がって行くとする。 壁までは結構な距離があるから、下手をすると転んでしまいかねない。 何せ後ろ向きだ。 当然、そうなればこの手の中のグラスは割れ、ワインは零れてしまうだろう。 まずい。まずいのだ。それは。 ただのワインならどうということも無い。 あの浮気者の部屋が汚れるだけだ。知ったことか。 しかし、このワインはそうではない。 高価な秘薬使ってまで作った惚れ薬が入っているのだ。 零してしまっては後が無い――これは何とかしてあの浮気者に飲ませなければならないのだ。 「ちょっと、落ち着きなさいよ、ルイズ。顔が怖いわよ――」 じりじりと後ろに押されていくモンモランシー。 頬に冷や汗が流れる。 だがその時、後ろに回した手にテーブルがぶつかった。 ――あぁ、始祖ブリミル! 感謝します! 心中でそう喝采をあげると、グラスをテーブルの上に乗せて、そっと滑らせてテーブルの中央へと向けて滑らせる。 簡単には落ちないであろう位置まで持っていき、自分はそのままルイズに押されるように壁際へ。 完璧だ。 ルイズの意識はもはやワインには無いだろう。 これでどうにかして少し怒りを収めれば、ぷんすかしながらも部屋を出て行くだろう。 繰り返そう。完璧だ。 ルイズはいまだにきゃんきゃん怒鳴っている。 あの黒衣の使い魔を呼んで以来、割と大人しくなっていた気がしたが、本性はそう変わらないらしい。 もっとも、今のモンモランシーにはそれも可愛く見える。 達成感でいっぱいだった。 「ふぅ。ッぅ――まったく、もう!」 「ごめん、悪かったわ。ルイズ。そうよね、貴女があんなゲルマニア女に似てきたなんて、私もどうかしてたわ」 一頻り怒鳴り疲れたのか、ルイズは未だに肩を怒らせながらも、追及の手を緩める。 それを好機と見たモンモランシーは、普段のギーシュもかくやという口の滑らかさでルイズを宥めに掛かった。 だが―――― 「ほんとにもう。急に怒鳴らせないでよね!」 と、苦心してテーブルに置いたワイングラスを手に取り、ぐいっと呷ってしまったのだ! 「あぁぁッ!?」 「っ、ん――ふぅ。何よ、変な声上げちゃって――」 絶望的な声を上げてがくっと崩れ落ちるモンモランシーを見下ろして、ルイズは首を捻る。 たったグラス一杯のワインに何を――と。 そんなに高かったのだろうか。 その割には大した味では無かった気もするが。 とはいえ、ここまで大げさに落ち込まれると後味が悪い。 謝らない訳にもいかないだろう。 ルイズはもう、と呟いてモンモランシーの傍らにしゃがみ込む。 「えーと、その、モンモランシー。ワイン一杯でそんなに落ち込まなくて、も――」 そして慰めの言葉を掛けながら―――― (2008/1/9 22 49 一部訂正by作者)
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2199.html
ルイズとギーシュそしてアニエスはアルビオンの貴族に案内されて、ルイズたちが乗ってきた船に 横付けされた彼らの船であるファルコン号のウェールズ皇太子のお部屋の前に来ていました。 キュルケとタバサ、猫草は別の部屋でのんびりと休んでいます。 ルイズはお部屋の扉をノックしようと手を上げましたが、案内していた貴族がそれを止めて 扉に向けて声をかけました。 「すまんがちょいとそこをどいてくれ」 「こりゃ悪かったズラ」 扉が返事をしたのでルイズはびっくりして跳びはねますが、よく見てみると扉だと思っていたのは なんとアルビオンの貴族だったのです。 おそらく、ウェールズ皇太子を守るために扉になりすましていたのだろうとルイズは考えて、 スンナリとそんな考えが浮かんだ自分がちょっとだけ嫌いになりました。 「やあ!よく来たね大使殿。さ、何もないところだが入りたまえ」 「は、はい失礼します」 ウェールズ皇太子に呼ばれて、ルイズはお部屋の中に入りました。 ギーシュはルイズのうしろからお部屋の中を見ましたが、本当に何もないお部屋でした。 机もイスもベッドすらありません。 そんな何にもないお部屋の中でウェールズ皇太子は腕を組んで堂々と立っています。 その威圧感にゴクリとのどを鳴らして、ギーシュとアニエスも中に入っていきました。 「おお…アンが…結婚するのか……」 「はい…」 アンリエッタ姫が結婚すると聞いたウェールズ皇太子は、うつろな目でなにやらブツブツと うわ言を呟きました。 先ほどまでの自信に満ちたお姿はどこにもありません。 それを見てルイズたちはとても悲しくなりました。 ですが、ルイズにはアンリエッタ姫から賜った大切な任務があるのです。 いつまでも悲しんでいるわけにはいきません。 ルイズが任務のことを話そうと顔を上げ、悲鳴を上げました。 なんとウェールズ皇太子がご自分の目に指を入れていたのです。 「こ、皇太子様お気を確かに!!」 「違います!皇太子殿下はご乱心したのではない……これは…スイッチング・ウィンバック!」 「ぼ、僕も父上から聞いたことがあるぞ…」 ルイズはウェールズ皇太子がご乱心したと思ったのですが、ギーシュとアニエスの説明を 聞いて立ち止まりました。 スイッチング・ウィンバックとは失敗や恐怖をこころのスミに追いやって闘志を引き出す アルビオン貴族独特の精神回復法です。 これはこころに負ったダメージが強いほど、気持ちを切りかえるために特別な儀式が必要になります。 そして、ウェールズ皇太子にとっての特別な儀式が目を潰すことだったのです。 「なまじ…目が見えるから……アンに思いを寄せてしまう…目が見えねば何者にも惑わされることはない」 「こ…皇太子さま…」 ルイズは、ここまで思いを寄せているのに添い遂げることができないウェールズ皇太子のお姿を 悲しくて見ることができませんでした。 ギーシュとアニエス、そして扉になりすましているアルビオン貴族も涙をこらえることができません。 ウェールズ皇太子は、そんなルイズたちの様子を感じてうれしそうに笑いました。 ルイズは猫草を抱えながら甲板に立っていました。 ギーシュにアニエス、キュルケとタバサもいっしょです。 あの後、ウェールズ皇太子からアンリエッタ姫からの手紙は手元に無いので、 取りにいくのにいっしょに来てほしいと言われたのです。 「ミス・ヴァリエール、そろそろアルビオン大陸が見えてくるよ」 「え、ええ」 ルイズは先ほどのことが気になって俯いていたのですが、ギーシュに話しかけられて 顔を上げました。 そして、ギーシュから静かに差し出されたハンカチを手に取ると涙を拭います。 いつまでも泣いているわけにはいかないのです。 「ニャニャニャ!ニャウニャウ!!」 「ん?どうしたの…ってなによこれ!?」 「アルビオンが…真っ赤だ」 鼻を押さえて暴れる猫草をなだめながら、ルイズは空を見上げました。 アルビオン大陸は河から流れた水が大陸の下に落ちて、そのしぶきで大陸が白く見えることから 白の国とも呼ばれているのですが、いまは血のように赤いもやに覆われています。 そして、鼻にツンとくる臭いが漂ってきました。 「廃水を浄化せずに河に流しているんだ。自然に敬意を払わぬ愚かな連中よ」 いつの間にかウェールズ皇太子がそばに来て悲しそうに大陸を見上げながら呟きました。 森や川を汚してしまえば最後には自分たちにツケが回ってくるのです。 ルイズにはこの光景がまるでアルビオン大陸が血を流して傷ついているように 思えて仕方がありませんでした。 「殿下、そろそろ到着します」 黒いよろいを着た騎士がウェールズ皇太子にそう告げ、すぐに持ち場に戻っていきます。 ファルコン号の向かう先にはポッカリとトンネルのような穴が開いていました。 ファルコン号は迷わずその中を進んでいきます。 そのトンネルは鍾乳洞になっていて中は真っ暗で何も見えませんが、どこにもぶつからずに無事に ファルコン号とルイズ達が乗っていた輸送船は鍾乳洞の中にある隠し港に到着しました。 「こんなところに港を造るとは…」 「なるほど、これならばレコン・キスタにも見つからない」 ギーシュとアニエスが船から下りながら鍾乳洞の中を見まわしました。 船員や港にいた兵士が船に荷物を積み込んでいるのが見えます。 港までの道は真っ暗だったのですが、ここには天上や壁に光りゴケが生えているので明かりにも困りません。 そして、ウェールズ皇太子の案内でルイズたちが港の奥の通路からお城の中に入ろうとすると、 通路から誰かが飛びだしてきました。 それはキレイなドレスを着たひとりの美しい女性でしたが、ルイズたちは悲鳴を上げながら杖を向けました。 どうしてかというと、その女性の耳は長く尖っていたからです。 この女性はあの恐ろしいエルフなのでした。 「な、な、な、なんでエルフがこんなところに?!」 「殿下!お下がりを!!」 ルイズたちがウェールズ皇太子を守るように女性の前に立ちふさがり、それを見た女性がびっくりして 立ち止まります。 そのエルフの女性のスキついてタバサは一番得意な魔法のアイシクル・ウインドを唱えました。 ウェールズ皇太子が止めようとしますが、それよりも早く氷の矢が女性に襲いかかります。 そして、氷の矢が当たる寸前にそれはおこりました。 「ドラララァーッ!!!」 男性のような雄叫びが上がったと思うと、氷の矢がすべて砕け散り、破片が床や壁にブチ当たります。 目の前のエルフの仕業なのでしょうが、彼女は魔法におどろいたのか、あたまを抱えて震えながら 床にしゃがみこんでいました。 「待ちたまえ大使殿!彼女は味方だ!!」 「ふぇぇぇ~ん、ウェールズにいさぁ~ん」 そのエルフの女性は泣きながらウェールズ皇太子に抱きつき、優しく慰められます。 ルイズたちはワケがわからずにそれを眺めているとエルフの女性は泣き止み、ウェールズ皇太子の 後ろに隠れながらルイズたちを見ました。 「まずは紹介しよう。わが従姉妹であるティファ二アだ」 「は、はじめましてティファニアと申します」 まだ怖がっている様子でオドオドしながらエルフの女性はティファニアと名乗ります。 そして、とりあえずルイズたちも挨拶をした後、ウェールズ皇太子は事情を説明すると言い、 ルイズたちをお城の中に案内しました。 こんなことがあったので、猫草の姿がもっとねこらしく変わったことにだれも気づきませんでした。
https://w.atwiki.jp/igatonikku/pages/191.html
←第281回~第290回←前 次→第301回~第310回→ 幻の291回【第291回沈没船いがとにっく】(いがとにっく初の主催参加無し) 2024/06/16 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 石炭効率1.3 主催いがこが寝坊のためれれい代理主催。虚無が代打。 乗船者 視点アーカイブ ぱんくん トスタポンテ いがこさん主催(不在)ドレハンに参加します! 虚無 代打のため視点無し 無神すずな 沈没船いがとにっく乗船!最近主催寝てること多いな?w れれい 環境変えていきますか ゆき 沈没船いがとにっく ゆいたゃん ツキアカリのミチシルベ 明星極夜 久々の深夜いがとにっ....寝てる??? ネタバレ + ... 前半役職 医師@ぱんくん 海兵@トスタポンテ 技師@虚無 航海士@無神すずな 船長@れれい 牧師@ゆき 料理人@ゆいたゃん 猟師@明星極夜 1船目 クルー勝利(19 11)最終トーテム5本 poker勝者ぱんくんストレート 傀儡 航海士:無神すずな・技師:虚無 2船目 クルー勝利(23 53) poker勝者ゆきスリーカード 傀儡 医師:ぱんくん・猟師:明星極夜 後半役職 医師@ゆき 海兵@ゆいたゃん 技師@れれい 航海士@ぱんくん 船長@虚無 牧師@明星極夜 料理人@無神すずな 猟師@トスタポンテ 3船目 廃船 poker勝者 虚無スリーカード 傀儡 料理人:無神すずな・技師:れれい 4船目 クルー勝利(26 43) poker勝者 トスタポンテストレート 傀儡 医師:ゆき・技師:れれい 5船目 即ピ クルー勝利(24 28)最終トーテム9本 医師@トスタポンテ 海兵@れれい 技師@ゆき 航海士@明星極夜 船長@ぱんくん 牧師@虚無 料理人@ゆいたゃん 猟師@無神すずな poker勝者 虚無フラッシュ 傀儡 猟師:無神すずな・海兵:れれい 【第291回沈没船いがとにっく】 2024/06/16 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 石炭効率1.3 乗船者 視点アーカイブ いがこ 抑圧の同盟 勇者ユウダイ 山で遭難していたら北極に連れ出されました マメシバ ありがとうとごめんねを繰り返して! ぱぷぁ 弓矢は捨てない気持ち! 虚無 代打じゃないやない回 nAl-chan 船は初心者なんです(´;ω;`)✨ さく 雪山と北極からの脱出 れれい アーカイブ置いておきます配信 6/15 料理人? ネタバレ + ... 前半役職 医師@nAl-chan 海兵@マメシバ 技師@勇者ユウダイ 航海士@さく 船長@いがこ 牧師@虚無 料理人@れれい 猟師@ぱぷぁ。 1船目 クルー勝利(22 02) poker勝者勇者ユウダイスリーカード 傀儡 料理人:れれい・航海士:さく 2船目 クルー勝利(22 35)最終トーテム8本 poker勝者勇者ユウダイフルハウス 傀儡 海兵:マメシバ・航海士:さく 後半役職 医師@マメシバ 海兵@れれい 技師@虚無 航海士@勇者ユウダイ 船長@いがこ 牧師@nAl-chan 料理人@さく 猟師@ぱぷぁ。 3船目 クルー勝利(22 55)最終トーテム8本 poker勝者 れれいスリーカード 傀儡 医師:マメシバ・牧師:nAl-chan 4船目 クルー勝利(26 46) poker勝者 さくツーペア 傀儡 航海士:勇者ユウダイ・料理人:さく 5船目 即ピ クルー勝利(24 25) 医師@いがこ 海兵@れれい 技師@マメシバ 航海士@ぱぷぁ。 船長@nAl-chan 牧師@勇者ユウダイ 料理人@虚無 猟師@さく poker勝者 勇者ユウダイフルハウス 傀儡 技師:マメシバ・海兵:れれい 【第292回沈没船いがとにっく】 2024/06/17 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 石炭効率1.3 乗船者 視点アーカイブ いがこ 目を覚ませ! 勇者ユウダイ お喋りダイス 猫之宮みー太郎 6/17 そろそろすこーし傀儡やりたい 虚無 れれい 呪いの番号 平十こうじ よっこらせ suwaaaaa ネタバレ + ... 【第293回沈没船いがとにっく】 2024/06/17 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 石炭効率1.3 乗船者 視点アーカイブ いがこ スタングレネード ライト れれい 旧広漠メンバーでドレハンやるぞ! 紅月サクヤ 伝説のメンバーで本日限りのドレハン祭 kaki 久しぶりの夕方ドレハン バケゆか 久々系のメンバーでやるらしいです 船長→なんか! スナパイ ぱぷぁ。 古‘sメンバーとニトロ降ろしルート Rin(ライト代打) [[]] 平十こうじ(スナパイ代打) 代打です!!! ライトさんはご事情ができて スナパイさんは寝坊らしい… おまけ 北極圏名物「FyingBear」 ネタバレ + ... 前半役職 医師@紅月サクヤ 海兵@kaki 技師@Rin 航海士@れれい 船長@バケゆか 牧師@ぱぷぁ。 料理人@平十こうじ 猟師@いがこ 1船目 クルー勝利(23 33) poker勝者kakiスリーカード 傀儡 技師:Rin・海兵:kaki 2船目 クルー勝利(29 55) poker勝者バケゆかストレート 傀儡 猟師:いがこ・牧師:ぱぷぁ。 後半役職 医師@ぱぷぁ。 海兵@紅月サクヤ 技師@kaki 航海士@平十こうじ 船長@バケゆか 牧師@いがこ 料理人@れれい 猟師@Rin 3船目 廃船 役職選択間違いがあったがそのまま続行 船長@平十こうじ 航海士@バケゆか poker勝者 紅月サクヤフルハウス 傀儡 航海士:バケゆか・技師:kaki 4船目 クルー勝利(25 36) poker勝者 紅月サクヤフラッシュ 傀儡 船長:バケゆか・医師:ぱぷぁ。 5船目 即ピ クルー勝利(26 56) 医師@kaki 海兵@ぱぷぁ。 技師@紅月サクヤ 航海士@いがこ 船長@れれい 牧師@平十こうじ 料理人@バケゆか 猟師@Rin poker勝者 kakiストレート 傀儡 牧師:平十こうじ・船長:れれい 【第294回沈没船いがとにっく】 2024/06/19 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 石炭効率1.3 乗船者 視点アーカイブ いがこ 狡猾 がああ 勇者ユウダイ 虚無 れれい 今でもドレハンが見れる場所です 稲生アニエス suwaaaaa トスタポンテ おまけ華麗に飯抜き離脱 ネタバレ + ... 前半役職 医師@がああ 海兵@勇者ユウダイ 技師@虚無 航海士@れれい 船長@いがこ 牧師@稲生アニエス 料理人@suwaaaaa 猟師@トスタポンテ 1船目 クルー勝利(24 57)最終トーテム11本 poker勝者がああフラッシュ 傀儡 海兵:勇者ユウダイ・船長:いがこ 2船目 クルー勝利(24 23) poker勝者稲生アニエスフラッシュ 傀儡 料理人:suwaaaaa・船長:いがこ 後半役職 医師@がああ 海兵@虚無 技師@れれい 航海士@トスタポンテ 船長@いがこ 牧師@suwaaaaa 料理人@勇者ユウダイ 猟師@稲生アニエス 3船目 クルー勝利(18 04)最終トーテム10本 poker勝者 虚無スリーカード 傀儡 料理人:勇者ユウダイ・航海士:トスタポンテ 4船目 クルー勝利(26 58) poker勝者 がああツーペア 傀儡 技師:れれい・猟師:稲生アニエス 5船目 即ピ 廃船 医師@がああ 海兵@勇者ユウダイ 技師@トスタポンテ 航海士@れれい 船長@suwaaaaa 牧師@虚無 料理人@稲生アニエス 猟師@いがこ poker勝者 suwaaaaaスリーカード 傀儡 技師:トスタポンテ・牧師:虚無 いにしえの罠の話題 再5船目 クルー勝利(20 41) poker勝者稲生アニエスフルハウス 傀儡 牧師:虚無・料理人:稲生アニエス 【第295回沈没船いがとにっく】 2024/06/19 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 初のGM不要狂人MODを使用 旧広漠 傀儡5サボ 石炭効率1.1 スロット:傀儡7 狂人6 クルーリーダー10 乗船者 視点アーカイブ いがこ 劇作法 れれい 傀儡狂人ドレハンがModになったぞ!初プレイ! 無神すずな zisock 6/19 狂人!狂人!わあああああ! ぱぷぁ。 傀儡狂人ドレハンするみたい 6/19 さく マメシバ ゆき 沈没船いがとにっく ネタバレ + ... 【第296回沈没船いがとにっく】 2024/06/21 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 狂人入りmod 役職ランダム 石炭効率1.2 スロット:傀儡7 狂人6 クルーリーダー10 乗船者 視点アーカイブ いがこ 唯一の生存者 zisock 6/21 私は飲んでません!!!!!! 猫之宮みー太郎 6/21 1人倒せる傀儡になりたい ぱぷぁ。 三枠連続狂人傀儡ドレハン 6/21 平十こうじ いがとにっくで狂人ドレハンらしい 勇者ユウダイ ゆいたゃん だーす ネタバレ + ... 【第297回沈没船いがとにっく】 2024/06/23 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 狂人入りmod 石炭効率1.2 スロット 傀儡7 狂人6 クルーリーダー10 乗船者 視点アーカイブ いがこ 刑事の直感 勇者ユウダイ トスタポンテ れれい 離脱狂人という選択肢もある 虚無 ゆき 沈没船いがとにっく 無神すずな さく ネタバレ + ... 【第298回沈没船いがとにっく】 2024/06/24 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 狂人入りmod 石炭効率1.2 スロット 傀儡7 狂人6 クルーリーダー10 乗船者 視点アーカイブ いがこ 幻影 れれい [狂人入りが主流となる…のか? https //www.youtube.com/live/mAusfzg0o20?si=pdH7RUbD9ro3-Ndl 虚無 勇者ユウダイ トスタポンテ らい suwaaaaa ぱぷぁ。 起きたら@1枠ありました 6/24 ネタバレ + ... 【第299回沈没船いがとにっく】 2024/06/25 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 狂人入りmod 石炭効率1.2 スロット 傀儡7 狂人6 クルーリーダー10 乗船者 視点アーカイブ いがこ イラプション れれい トスタポンテ ぱんくん 勇者ユウダイ suwaaaaa 虚無 らい ネタバレ + ... 【第300回沈没船いがとにっく】 2024/06/26 今日も今日とて沈没船いがとにっく! 旧広漠 傀儡5サボ 狂人入りmod 石炭効率1.2 スロット 傀儡7 狂人6 クルーリーダー10 乗船者 視点アーカイブ いがこ スペシャリスト れれい 300船記念傀儡狂人ドレハン! バケゆか トスタポンテ 勇者ユウダイ 平十こうじ いがとにっくで狂人ドレハンらしい 星屑ゆぅみ 猫之宮みー太郎 6/26 アバダケダブラ! ネタバレ + ... ←第281回~第290回←前 次→第301回~第310回→
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7389.html
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 64話 短い夏の日の終わり (後編) 冷凍怪人 ブラック星人 雪女怪獣 スノーゴン 登場! 「さっ、寒いっ!」 たった今まで、じっとしていても汗が噴き出すほどに暑かった気温が、木々に霜が降りるほどに ぐんぐん低下していく。雪女怪獣スノーゴンの吐き出す冷凍ガスと、極低温の奴の体温が、 大気から急速に熱を奪っていっていた。 「いいぞスノーゴン、そのまま何もかも凍りつかせてしまえ!」 操っているブラック星人は、安全なスノーゴンの後ろから得意げに命令している。自身に 戦闘力がなく、指揮官が安全な場所にいるのは当然のことなのだが、その姑息さには正直腹が立った。 「あんた! 男なら前に出て戦いなさいよ!」 「はっははは、野蛮な下等生物らしいな。そんな手に乗ると思うか」 怒ったルイズが挑発してもブラック星人はまったく動かない。本来なら、指揮している 星人を倒すのが一番手っ取り早いのだが、奴も、自分の弱さをしっかりと自覚していると見え、 これでは手が出せない。事実、先代のブラック星人も自身たっぷりだった割には終始 スノーゴンに命令するだけだった。 だが、それだけにブラック星人の用心棒的存在であるスノーゴンは強豪である。冷凍ガスを 息を吐くように口から漏らしながら、氷上の覇者である白熊のような風貌で、二本足で 近づいてくる奴によってさっそく家が一軒踏み潰される。 「ちょっ、サイトどうすんのよ!?」 「どうするもこうするも……とりあえず、俺たちが囮になって時間を稼ぐから、テファはその あいだに子供たちを逃がしてくれ!」 走って逃げながら、とりあえず才人以下いつもの面々はティファニアとロングビルを先に 行かせて反転した。目の前には、地響きを立てて向かってくる純白の怪獣が立ちはだかっている。 まさか、こんなところで怪獣と戦うことになるとは思わなかったが、多分この世界で怪獣との 戦闘経験が一番豊富なのは彼らだろう。臆すこともなく、その巨体の前に構えて立つ。 最初に作戦を立てるのは、もちろん独自に怪獣撃破経験のあるキュルケとタバサである。 「さあーて……怪獣と戦うのはこれで何度目かしらね。今度の敵は雪女か、さてどうしようかタバサ?」 「氷には、火」 「ま、そうなるわよね。じゃあわたしの出番ね。ふっふっふ、派手にいくわよお!」 自分が主役に選ばれて、キュルケはその赤い髪を文字通りに燃え上がらせるかのように 魔力の余波で逆立たせながら、炎の力を最大限に練り、タバサもそれに呼応して、得意の風を 炎にまとわせるかのように渦巻かせていく。 『フレイム・ボール!』 『ウィンド・ブレイク』 大きな炎の玉が、高圧の空気の気流に取り込まれることによって大量の酸素を含まされ、 一気に燃焼を加速させられて火炎竜巻となっていく。火と風、最高の相性を持つ二つの属性を 持つ二人の力が合わさることで生まれる力は、優にスクウェアクラスにも匹敵する。 「溶けて、燃え尽きちまえーっ!」 小さな山なら、瞬時にはげ山に変えてしまえるくらいの火炎竜巻が、えぐるようにスノーゴンの 腹に突き刺さっていく。その威力は、かつてムザン星人を倒したときにも匹敵するほどにも見える、 成長期の二人の魔力は、一日ごとにその力を増していっているのだ。 「すごい、これなら!」 普段キュルケをライバル視しているルイズも、巨大火炎竜巻の威容には圧倒される しかなかった。これを食らえば、人間などは消し炭も残らないだろう。しかし、竜巻が 熱エネルギーと運動エネルギーを使い果たして消滅したとき、スノーゴンの胴体には わずかな焦げ目がついただけだった。 「そんな、バカな……」 「ふっ、はははは! 頭の悪い人間どもよ。その程度の熱量でスノーゴンを溶かせると思ったか」 高らかにブラック星人は、愕然としているキュルケたちに勝利の宣言をした。スノーゴンは まるでダメージを受けたようには見えず、雄たけびをあげてまた向かってくる。確かに、氷に 対しては炎が有効だと誰でも考える、しかし強力な火炎も、より低温の物体に対しては威力が 薄まる。さらに、攻撃が強力であった分だけ短時間で終わってしまったのもまずかった。 氷などの物体が熱せられると、溶けた水が表面で膜となってそれ以上熱が内部に伝わる のを抑える作用が生まれる。これでは氷よりさらに低温の凍結細胞を持つスノーゴンには、 雪山で焚き火をするようなものだった。 すると、今度はルイズが「だったらわたしの魔法で!」と爆発魔法をぶつけてみたが、 これまた見事に跳ね返された。 「あらーぁ……」 本当は、こんなもので勝てれば苦労はないのだが、こうもたやすく跳ね返されるとやはり がっかりする。けれども、スノーゴンもいい加減棒立ちで攻撃をずっと受け続けてくれるほど 親切ではないので、アザラシを前にした白熊同様に再び襲い掛かってきた。 「よーっし、逃げよう!」 「さぁーて、次はどうしましょうか」 また四人そろって仲良く逃げながら、キュルケは他人事のように言った。ルイズは、渾身の 魔法が通用しなかったことでキュルケがショックを受けるのではと思ったのだが、当の本人は このとおり飄々としている。あまり自慢にならないが、怪獣相手には魔法が効かないことが 多いので、キュルケも失敗に耐性がついてきていた。それに、タバサも花壇騎士として 攻撃の効かない相手と戦うのはしょっちゅうなので、特に驚きもせずにキュルケに言われた ように次の策を考えていた。 「今の攻撃が効かないとなると、正攻法じゃ無理、今は時間を稼ぐのが得策」 「やーっぱそうなるか、ルイズも敵に背を向けないのがなんとか言わないわよね」 「嫌味ったらしいわねえ、そんなことより、わたしはあんたの口から「ルイズは勇敢に戦って 名誉の戦死を遂げました」なんて言われるのだけはごめんなのよ」 「お前ら、こんなときによくそんなこと言ってられるな。右だ、避けろ!」 とっさに右へ避けたところに、スノーゴンの冷凍ガスが吹きかけられて純白の氷原と 化していく。圧倒的な体格差から、スノーゴンにとっては足元のアリに息を吹きかける ようなものだが、まともに食らえばあの兵士たちのように白い彫像にされてしまうだけに 全力で回避しなければならない。 「ひゃああっ、寒いっ! もうっ、この玉のお肌が霜焼けになったらどうしてくれるのよ! あっ、でもわたしが氷の像になったら、世界遺産になって博物館に展示されるかも」 「あんたの像なんてうっとおしいもの、できた瞬間に帽子掛けにしてやるわよ」 「あっ、そうか、誰かさんには帽子をかけるでっぱりもないもんね。まな板?」 「なんですってキュルケーっ!」 「だからお前ら、ちっとは真面目にやれよ!」 すでに髪の毛に霜をまとわせながらも、いつもどおりに憎まれ口を叩き合うルイズと キュルケに才人は呆れたが、こんな状況下でも平常心を保っていられる彼女たちを 見ていると、こちらまでなにか安心できてくるから不思議だ。 それにまったく、どうも最近逃げ癖がついてきたみたいで嫌だが、こっちが作戦会議を やっている間、相手が黙って待っていてくれるはずもないので、最低でもティファニアたちが 安全な距離にまで逃げ切るまで、こっちは少々体力を使わねばならなかった。 「サイト、あいつになんか弱点とかはないの?」 「特にないっ!」 「断言するな! ちょっとは期待させなさい!」 と言われても、スノーゴンには特にこれといった弱点は存在しない。猫舌星人グロストの ように極端なまでに熱に弱かったら火炎魔法でダメージを負わすこともできるだろうが、 スノーゴンを溶かすにはそれこそGUYSのメテオール『マクスウェル・トルネード』クラスの 火力が必要だろう。才人の持つガッツブラスターなら、ある程度のダメージは与えられる だろうが、残弾が残り一〇発強にまで落ち込んでいる今はうかつに撃てない。 かくなる上は、方法は一つ。 「ルイズ、やるか?」 「それしかないようね」 才人とルイズは走りながら、右手の中指にはめられたウルトラリングを見つめると、 リングのエンブレムが小さな輝きをはなった。だが、キュルケとタバサの目がまだある。 けれど、そのとき強い羽音を響かせてシルフィードが空からやってきた。 「きゅーい!」 「やっと来たわね、ということはテファたちも逃げ延びたってわけね。タバサ、次は 空から攻めましょう」 「うん」 タバサとキュルケのコンビにシルフィードが加わったとき、この二人の実力は何倍にも 引き上げられる。以前エギンハイム村での戦いから二人とも言葉には出さなくともそれを 肌で感じ取っていた。 タバサが口笛を吹くと、シルフィードが舞い降りてくる。着陸している余裕はないので 滑空しながら近づいてくるのに、まずはタバサ、次にキュルケが飛び乗って、それから ルイズと才人の番になったとき、二人は軽く目配せしあった。 「さあ、早く乗って!」 低速で滑空を続けるシルフィードからキュルケが叫んでくるが、二人はわざとそれに 遅れて、乗るタイミングを外した。すると、直線飛行を続けていたシルフィードを目掛けて スノーゴンが冷凍ガスを吐いてくる。 「悪い、先に行ってくれ!」 「ルイズ、ダーリン!」 「もう無理、上昇して……」 シルフィードの翼が凍りつき始めたのを見て、タバサはやむをえず上昇を命じた。 冷凍ガスの白煙の中に、地上に取り残された二人の姿が消えていく。 だが、極低温に包まれて、体が氷に変わっていくのを実感しながらもルイズと才人に 恐怖はなかった。 「ルイズ、いくぞ!」 「ええ!」 白い地獄の中で、二人は唯一動かせた右腕を振りかざし、手と手をつないで光となった! 「ウルトラ・ターッチ!!」 絶対零度の封印を砕いて、光が空へと舞い上がり、形となって降りてくる。 「イヤーッ!!」 急降下キックがスノーゴンの鼻先をかすめ、あおりを受けただけで白い巨体が あおむけに吹っ飛ばされる。 「ヌゥン!」 そして、夏の日差しに輝く雪煙を立てて、大地に降り立つ銀色の勇姿! 「ウルトラマンAだ!」 空の上からキュルケとタバサが、森の先からティファニアとロングビルと子供たちが、 森の木々よりはるかに高いその巨体を見上げて、頼もしそうに歓声をあげた。特に、 ティファニアたちウェストウッド村の人々はエースを見るのは初めてであったが、自分たちを 守って立ちふさがるその勇姿に、ジャスティスと同じ優しさと強さを感じ取っていた。 「がんばれー! ウルトラマーン!!」 構えをとり、起き上がってくるスノーゴンを見据えて、ウルトラマンAのアルビオンでの 最初の戦いが幕を上げた。 「ショワッ!」 木々を蹴散らしながら突進してくるスノーゴンをストレートキックで押しとどめ、 ジャンプして脳天にチョップを叩き込む。エースの連続攻撃が次々に決まり、分厚い毛皮 ごしからも、スノーゴンにダメージを与えていく。 けれど、スノーゴンの実力に自信を抱いているブラック星人も、声を高めてスノーゴンへと命令する。 「スノーゴン! ウルトラマンごときひねりつぶしてやれ!」 命令を受けたスノーゴンは、雄たけびを上げ、両手の鋭い爪を振りかざしてエースへ迫る。 体格では、エースが四〇メートルに対してスノーゴンが四五メートルと頭一つ違う。まれに、 山で熊と遭遇して睨み合ったり、投げ飛ばしたりした人の話を聞くが、そんな人たちもこんな 気持ちだったのだろうか。 (エース、あいつには捕まるな! 体を引き裂かれてしまうぞ) 才人は突進してくるスノーゴンを見据えて叫んだ。スノーゴンの怪力は怪獣界でも相当なもので、 かつての個体はその腕力にまかせて、ウルトラマンジャックを五体バラバラにしてしまっている。 そのときは、かろうじてウルトラブレスレットの力で再生に成功したが、エースはそういった アイテムの類は持ち合わせていない。 (わかった、私もムルチのようにはなりたくないからな) エースの脳裏には、超獣ドラゴリーと戦ったときに、乱入してきた巨大魚怪獣ムルチを ドラゴリーが腕力のみで、体を引きちぎってバラバラにしてしまったときの光景が蘇っていた。 また、似たような例は他にもあり、どくろ怪獣レッドキングが有翼怪獣チャンドラーの翼を 引きちぎったりと、怪獣は腕力だけでもあなどることはできない。真正面からパワーの対決に なるのを避けて、その攻撃力を右に左にと、うまく受け流しながら打撃を加えていった。しかし、 スノーゴンもまた人間に変身して会話をするほど知能の高い怪獣である。腕での攻撃が かわされ続けるとみるや、第三の武器、鋭い牙での噛み付き攻撃を仕掛けてきた! (危ない!) (危ない!) 狼のような鋭い牙の羅列が迫ってくるのをエースと共有している視線で見て、才人とルイズは 文字的にはまったくで同じで音程の違う悲鳴を同時にあげた。 「ヤァッ!」 エースはスノーゴンの牙が首筋に食い込む寸前で、体をひねって回避に成功した。万一 こいつが食いついていたとしたら、エースの肩の骨が砕かれていたかもしれない。また、才人と ルイズも、それぞれ小さいころに犬に吼えられたことがあるのを思い出していた。 (狂犬病予防は、してないだろうなあ) 野良犬や、どこかの家の番犬に吼えられた経験は多くの人にあることだろう。そして その恐怖を大勢の人が強く印象に残すのは、原始の人類が狼や虎に怯えてすごした記憶を 遺伝子が本能として蘇らせるのかもしれないが、人間は進化の過程で理性によって恐怖を 乗り越えることができるようになっている。二人は本能的な恐怖を、どうせ相手は獣だからと 自分に言い聞かせてねじ伏せたが、なんにせよ、ジャックが一度はやられかけた強敵である。 だからこそ、ブラック星人も今回も用心棒として連れ歩いているのだろう。 「ふははは、その程度の打撃でスノーゴンを倒せると思ったか! 超獣などという面倒な ものに頼らずとも、最後に勝つのは我々だ。スノーゴンよ、ゆけぇー!」 口の発光器官を強く輝かせながら、人間だったら間違いなく大口を開けて笑っている ようにしながら、ブラック星人はさらにスノーゴンをけしかける。 (バカにバカ力をこうも楽しそうに自慢されると、さすがに腹たってくるわねえ……) 残念だが、牙と爪がある分接近戦ではスノーゴンにやや分があった。奴の言うとおり、 パワーの面ではスノーゴンは超獣にもひけをとらないだろう。このままではこちらが 不利だと、エースはいったん体勢を立て直すためにバックステップを使って、間合いを 取ろうと後方へと跳んだ。 「シャッ!」 瞬間的に五〇メイルほどの距離が開き、スノーゴンの爪が空を切る。近づかなければ、 どんなパワーであろうと恐れることはない。 だが、それこそを待ちわびていたかのようにブラック星人は高らかに叫んだ。 「いまだスノーゴン、エースもカチンカチンにしてしまえ!」 するとスノーゴンはその巨大な口を大きく開けて、白色の冷凍ガスをエースに向かって放ってきた! 「ヘヤッ!」 とっさに体をそらしてエースは回避したが。 (しまった、至近距離では逆に冷凍ガスが使えなかったのを自由にしてしまったか) ガスを至近距離で放てば自分まで浴びてしまう恐れがある。だからこれまで奴は最大の 武器を使ってこなかったのだが、距離が充分開けばそれも解決する。エースは回避を 続けるが、スノーゴンは口からだけでなく、両手を合わせた先からも冷凍ガスを噴射 してくる。発射口が二つもあってはさしものエースでさえ回避しきれない。 「フゥン! グォォッ!」 体が凍結し始めて、エースから苦悶の声が流れる。 M78星雲、光の国の住人は寒さに弱い。個人差もあるが、かつてエースも雪超獣スノーギラン との戦いでは吹雪の寒さに負けて、一時戦闘不能に陥ってしまっている。スノーゴンは それをいいことに、動きの止まったエースに向けてさらに冷凍ガスを吹き付ける。 「エース、頑張れ!」 「負けないで!」 いまや陽光を除けば、すっかり真冬となってしまった森の一角で、夏服で寒さに耐えながら ロングビルや、ティファニアたちが声援を送ってくれるのや、内側からのルイズと才人の激励を 受けて、エースはなんとか寒さに耐えようとするが、浴びせられ続ける冷凍ガスは急速に 体力を奪い、ついにカラータイマーも赤く点滅を始めてしまった。 (くそっ……このままでは) スノーゴンの冷凍ガスの威力は予想以上に強力だった。エネルギーが急速になくなっていき、 タイマーの点滅が通常よりも早くなっていく。このままでは、本当にジャックの二の舞に なってしまう! 調子に乗ったブラック星人は、スノーゴンの背中を眺めながら愉快そうに笑った。 「いいぞスノーゴン、そのままエースもバラバラにしてしまえ、ハハハハ!」 もはや勝ったも同然とばかりに手を叩いて星人は哄笑した。スノーゴンは、最後の力を 振り絞って掴みかかろうとするのに抵抗するエースを地面に押さえつけて、今にも首筋に 爪を突きたてようとしている。まさに、後一歩のところで逆転負けを喫した初代の雪辱が 晴らされようとしていた。 だが、ブラック星人もまた、他の数多くの侵略宇宙人と同じ、致命的な過ちを犯していた。 『ウェンディ・アイシクル!』 『ファイヤーボール!』 突然降り注いできた氷の矢と、炎の弾丸がブラック星人を襲い、とっさに避けた場所の地面を粉砕した。 「ちぇっ、外したか」 星人が驚いて攻撃のあったほうを見上げると、そこにはシルフィードに乗ったキュルケと タバサが杖をかざして見下ろしていた。 「ぬぅ、貴様ら!?」 「要はあんたがあの怪獣を操ってるんでしょ。怪獣が向こう行っていてちょうどいいからね、 この隙にやっつけさせてもらうわよ!」 「なっ、なにぃ!!」 とたんに、炎と氷の大爆撃がブラック星人に襲い掛かる。こうなると、変身くらいしか能力の ないブラック星人にはなす術がない。 「おっ、おのれ人間ごときが!」 「陰に隠れて偉そうに、人間をなめんじゃないわよ!」 「わたしたちは、そんなに弱くない」 逃げ回る星人に、二人の怒涛の攻撃が振りそそぐ。かつてははるかに強力なムザン星人と 戦ったこともある二人からしてみれば、ブラック星人ごときを恐れる理由はかけらもなかった。 ヤプールに乗じてやってくる姑息な侵略者、それもこれも人間が弱いものとなめられているからだ。 ならばその誤った認識を修正してやらねばなるまい。 「スノーゴン、早く来いスノーゴーン!」 ブラック星人は、さっきまでの余裕をかなぐり捨てて用心棒を呼んだ。 そのとき、スノーゴンはエースの右腕を掴み、今にも引きちぎらんばかりの腕力を込めて いたのだが、命令とあっては仕方なく、エースを放して戻ってくるとシルフィードに向けて 冷凍ガスを吐きかけてきた。 「来たわよタバサ!」 「上昇」 「言われるまでもないのね!」 直撃を受ければ、シルフィードもろとも地面に激突して床に落としたワイングラスのように なってしまう。もちろんそんなことは絶対お断りのシルフィードは、急速上昇してかわした。 そのため、ブラック星人へのとどめが後一歩のところで刺せなかったが、もう一つのとどめを 回避せしめて、なおかつ時間を稼いだことが戦局を大きく変えていた。 (エース、いまだ!) スノーゴンが離れた隙に、エースは渾身の力を振り絞って起き上がると、腕を胸の前で 突き合わせて、光線技を放つのと逆の要領でエネルギーを体内で駆け巡らせた。 『ボディスパーク!』 エネルギーの体内放射によって、氷が飛ばされ、氷点下にまで落ち込んでいたエースの 体温が取り戻される。 蘇ったエースは自分に背を向けているスノーゴンに向かって、体をひねると腕をL字に組んだ! 『メタリウム光線!!』 三原色の美しい光の帯がスノーゴンの背中に吸い込まれ、一瞬置いてエネルギーの 反発による大爆発がスノーゴンを襲う。 「やったあ、ざまーみろ!」 キュルケの歓声が、エースの復活と形勢逆転を祝ってこだました。 一方、ブラック星人はまさかのウルトラマンAの復活に驚くも、まだ負けたわけではないと スノーゴンに命令する。 「スノーゴン! エースのエネルギーは残り少ないはずだ。また凍りつかせてしまえ」 再び、スノーゴンの口と手からの冷凍ガスがエースに向かって吹き付けられる。 しかし、エースも同じ手を二度も食らいはしない。エースが両手のひらを合わせて スノーゴンに向けると、冷凍ガスがみるみるエースの手の中に吸い込まれていく! 『エースバキューム!』 どんなガスでも吸い込む吸収技には、さしもの冷凍ガス攻撃も通用しない。やがて、 吐き続けた冷凍ガスも打ち止めとなったと見え、咳き込むと同時に止まってしまった。 「よーし、いまよ! やっちゃえ!」 キュルケ、タバサ、シルフィード、ティファニア、ロングビル、子供たちがそれぞれ 言葉柄は違えど同じ内容の声援を同時にエースに送った。もちろん、才人やルイズも 同感で、エースはその期待に十二分に答えた。 「ヘヤァッ!」 エースバキュームを解除して、一気に勝負に打って出たエースの両手が高温の エネルギーに包まれる。 『フラッシュハンド!』 パワーアップしたパンチとチョップの連打が叩き込まれ、さらに高電撃を帯びた キックが胴を、顔面を吹き飛ばす。 『電撃キック!』 連撃を浴びたスノーゴンの体は、攻撃された箇所から焼け焦げ、一気に体力を 削り取っていく。ブラック星人は焦って、なにをしているんだとスノーゴンに怒鳴るが、 もはや遅い。 「デャァァッ!!」 エースはフラフラになったスノーゴンの体を持ち上げると、真上に高く投げ上げて、 落ちてきたところを受け止めると、大回転して勢いをつけて放り投げた! 『エースリフター!!』 投げのエース最強技が炸裂し、スノーゴンの巨体が宙を舞う。 そして、その落下地点には…… 「まさか、そんな、ゲェーーッ!!」 ブラック星人を見事下敷きにして、スノーゴンは氷原に大激突した。その振動 たるや、凍りついた森の木々が一斉に霜を落とし、地上にいた子供たちは宙に 浮かび上がってしまったほどだが、元々凍結細胞でできているスノーゴンは、 連打されて体の構造が弱っていたところに、大打撃を加えられた結果、体構造 そのものが一気に崩壊をきたし、先代が辿ったのと同じように、さながら崩れ落ちる 氷山のごとく大爆発して散った! 「やったぁー!」 砕け散ったスノーゴンの破片が、まるで雪のように降り注ぐ中、子供たちの心からの 歓声が森の中に高らかに鳴り響き、空の上ではキュルケがタバサを抱きしめて ガッツポーズをとっている。 大勝利! 姑息な侵略計画を立てたブラック星人は、なめきっていた人間の逆襲を 敗因として、何一つなしえぬまま遠い星に散った。そして、助けを受けて辛くも勝利を 収めたエースは、熱を取り戻した夏空を見上げて飛び立った。 「ショワッ!!」 銀色の光が空のかなたへと消えていく。人々は、手を振ってその勇姿を見送り、 戻ってきた平和を喜んだ。 しかし、シルフィードに乗って村の上空を旋回しながら、キュルケは憂鬱な表情だった。 「キュルケ……」 「戦いには勝った……けど、代わりにあたしたちはあの二人を失った」 タバサは何も言えなかった。才人とルイズはシルフィードに乗り損なって怪獣の冷凍ガスの 直撃を受けた。あの超低温の中で無事でいられるとは思えない。 けれど、キュルケの目に鈍く輝くものが浮かびかけたとき、シルフィードの明るく軽快な 声が二人の耳に響いた。 「きゅーい! お姉さま、あれ、あれ、あそこ見て見てなのね!!」 「え? ……あ!!」 興奮したシルフィードの声に、怪訝な表情で地上を見下ろした二人は思わず間の抜けた 声を出してしまった。なんとそこには、才人とルイズがなんでもない様子でこちらに向かって 手を振っている姿があるではないか。 「おーい、おーい」 笑顔で手を振ってくる二人に、特に外傷などは見受けられない。その暢気な姿に、キュルケは もう怒ったり喜んだりするどころか、完全に気が抜けてしまった。 「あいつら、人に心配かけちゃってくれて、もう!」 「しぶとい……」 「あの二人こそウルトラマンなのね! きゅいきゅいっ」 再び照り付けだした夏の日差しの前に、凍り付いていた森も溶け出してあるべき姿へ 戻っていき、避難していた村人たちも帰って、こうしてウェストウッド村を舞台にした二度目の 戦いは幕を閉じたのだった。 しかし、一局地での戦いに勝利したとしても、ヤプールとの戦いが終わったわけではない。 ブラック星人の言い残した言葉の意味、ヤプールは人間を集めているという、今この アルビオンで進められているという計画を知った以上は黙っているわけにはいかない。 「わざわざ手間暇をかけて人間を集めて、奴はいったい何をたくらんでいるんだ?」 壊されたウェストウッド村の後片付けをしながら、才人はその答えを考えていた。 過去の事例として、ヤプールはその活動の末期に、マザロン人を使って地球上から 子供たちを一人残らず異次元にさらい、未来を奪って全滅をもくろんだことがあるが、 今度は老若男女問わずに人間を集めて、別に異次元にさらうつもりでもないようだ。 となれば、このアルビオンで何かに利用しようとしているのだろうが、それが皆目見当がつかない。 ただし、手がかりがなくはない。 「宇宙人が王軍に紛れ込んで動いていた以上、王党派を何らかの形で利用しようとして いるんだろうな。こうなったら、危険だが王党派に探りを入れてみるか……だけど、 この国のことがさっぱりわからないおれが一人で行っても迷子になるだけだよな……」 ヤプールの動向を調査するといえば、ルイズはまずOKしてくれるだろう。キュルケや タバサも手助けしてくれるに違いない。ただ、地理に不案内な自分たちがのこのこと 戦場近辺をうろつけば、最悪軍隊に追い回されることになりかねない。となれば、 現地の人の協力をあおぎたいところだが、ティファニアを危険に巻き込むわけには いかないし、頼れる人といえばロングビルがいるが、せっかく里帰りしてゆっくりしている ところに無理を頼んでいいものか……。 けれども、すでに大勢の人が王軍の下へ連行されてしまっている以上、捨て置く わけにはいかない。まったく、せっかく夏休みをのんびり楽しんでいたというのに、 ろくでもないタイミングで現れてくれるものだ。休日出勤などといったくたびれるものが ある会社には就職したくないと思っていたのに……。 「なんにせよ、人間をさらって奴隷にしようなんて企みをほっとくわけにもいかないし、 それに王軍と交渉に向かったミシェルさんも大丈夫かな……あの人のことだから、 簡単にはやられないと思うが……」 才人にも、他人を気遣うくらいの配慮はあるだけに、無理を言っていいものか、それとも 無理を承知で自分たちだけで行動するべきか、二重背反に苦しんだ。 「ともかく、今日はもう日が暮れるし、夕飯どきにでも相談してみるか」 焦っても仕方がない。今日はもう、みんな疲れているしエースもエネルギーを回復する 時間が必要だ。それに、一人で決めたらまたルイズに怒られる。また疲れるだろうが、 みんなで相談して今後のことを決めようと、才人は傾き始めた太陽を見て思うのだった。 一方同時刻、トリステインではアニエス以下の銃士隊が中心となって、国内に潜む レコン・キスタ勢の内通者を狩り出すべく、あたりをつけておいたある騎士団の団員の 一人を尾行し、町の一角の宿場でパイプ役のアルビオン人と接触したところを捕らえていた。 「くそっ! アンリエッタの犬め!」 「言いたいことがあるなら今のうちに言っておけ、どうせ拷問にかけられれば強がる 元気もすぐになくなる」 縛り上げながらも悪あがきを続ける男を見下しながら、アニエスは無感情に吐き捨てた。 この後、間諜の男には普通の人間なら見ただけで失神するような苦痛の数々が 架せられることになるが、アニエスの使命は国家と国民に害をなす分子を早期に 取り除くことであるから、必要とあれば苛烈な処置もためらわない。第一、金銭に 目がくらんで国を売るような恥知らずに同情してやる価値は寸分もない。 「恨むのなら、こんな単純な手に乗った自分自身を恨むのだな」 その、侮蔑をたっぷりと込めた一言を聞くと、男は自殺しないようにかまされた猿轡を 音がするほど噛み締めて悔しがった。アニエスは、用心して行動を起こさない男に、 アルビオンの内通者がわかったから次の夜に逮捕しに向かうと偽の情報を流し、 その内通者から自分のことが漏れると焦った男が動いたところで捕まえたのである。 「徹底的に調べろ、どんな小さな痕跡も見逃すな」 部下たちに指示して、アニエスは間諜たちの持ち物を調べさせた。ミシェルがいなく なってから、銃士隊全体の効率というか事務能力が落ちてきているので時間がかかって しまっているが、それでも彼女たちは手馴れた動作で調べていき、やがて男の帽子の 生地の内側に書類が隠されているのを見つけ出した。 「隊長、こんなものが」 隊員の一人が差し出した紙を、アニエスは受け取って開いた。それは、何かの文章の ようであったが、万一敵に発見されたときのためにであろう、意味不明な単語が並ぶ 暗号の体をなしていた。 「小ざかしい真似を、だが無駄な努力だったな」 アニエスは懐から、別の間諜から奪った暗号解読の乱数表を取り出し、ゆっくりと 頭の中で文章を組み立てていった。 「アル・ビオンは……現在……王党派へ……」 ともかく、調査を始めてこの男に行き着くまでは長かった。トリステインに張り巡らされた スパイ網は単純ではなく、一度限りの運び屋や、ガリアやゲルマニアの諜報員も 混ざっているために操作は何度も行き詰まり、さらには最近のレコン・キスタ勢の 劣勢を知り、スパイ活動をやめて国外に逃亡したものまで多数いたために、末端から 一歩一歩根を掘り返し、詰まっては方向を変え、詰まっては方向を変えと、全員足を 棒のようにした結果、ようやく大物とつるんでいると思われるこいつに行き当たったのである。 「隊長」 「ふむ、どうやらアルビオンで王党派と戦っているうちに、トリステインが動かないように 内部工作を頼む文章のようだな。宛先は、言うに及ばずだ。だが、こいつも最近は レコン・キスタを見限るように、前よりはおとなしくしていたはず。この、用心深く欲深い こいつを動かすには、それなりに魅力的なエサが必要だろう。さて……」 彼女は、絶対にクロだと思っているが、かくたる証拠がないために逮捕できずにいる 政府内部の大物内通者の憎らしい顔を思い浮かべたが、気を取り直して暗号解読に 戻った。 「決戦に際して、ウェールズ皇太子はすでにこの世を去っていることになるでしょう…… 政戦共に皇太子の力量に頼っている王軍など、彼がいなくては烏合の衆、我々は これを撃破した余勢をかってトリステインに……」 「これは隊長、連中は王子を」 「うむ、卑劣な策謀に頼るレコン・キスタらしい。奴らは、王子を暗殺する気だ」 銃士隊の中に、さっと緊張が走った。しかし驚く者はいない、戦力的に劣勢なレコン・キスタが 敵の頭であるウェールズを狙うのはしごく当然の選択であるからだ。しかし、そんなことは 王党派も当然承知しているはずで、皇太子の身辺警護には気を使っているはずだ。 恐らく、今皇太子に近づけるのは信頼の置ける一部の者に限られるはずで、しかも 皇太子自身もスクウェアに近いトライアングルクラスの風の使い手と聞く、暗殺を するとしても簡単にはいかないだろうが、連中はいったいどんな作戦で皇太子の命を 狙うというのか? それはこれからの文に書かれているはずで、アニエスはつばを 飲み込んで、その先の解読を続けた。 「むろん、皇太子も自らの身辺は厳重に警護していることでしょう。しかし、彼も人間で ある以上必ず隙はあります。その点で我々はあなた様のご尽力もあり、絶対確実な暗殺者を 用意することに成功いたしました。この人選には感謝の意にたえません。まずは、あなた様の 忠実なるしもべである……その名は…………その、名は……」 そこに記されていた名前を読んで、アニエスは一瞬自分の目を疑ったが、すぐに もう一度全文を確認しなおして、全身から血の気が引いていくのを感じた。 「隊長?」 自失していたところに、隊員の一人に声をかけられて我に帰ると、アニエスはすぐに 頭の中で情報を整理し、それによって導き出される最適な答えに行き当たって、 はじかれるように部屋のドアを押し開いて走り出した。 「隊長、どうなさったんですか!?」 「緊急事態だ! 私はすぐに姫殿下に話をせねばならん。お前たちはその二人から 可能な限りの情報を引き出せ、殺さなければどんな手段を使ってもかまわん!」 外に用意してあった馬に飛び乗り、一目散に王宮を目指すアニエスの耳に、 つぶされた豚のような悲鳴がわずかに響いてきたが、彼女はもはやそんなものに かまいはしなかった。 その下町の宿から王宮、さらにアンリエッタの元にアニエスがたどり着くまでに 要した時間は三十分ほどであったが、彼女には無限に長く感じられた。 「どうしたのですかアニエス!? そんなに息を切らせて」 火急の要と聞いて、公務をマザリーニ枢機卿に任せてやってきたアンリエッタはアニエスの 尋常ではない様子を見て、思わず彼女に駆け寄って問いただした。 「最悪の事態です。時間がありませんので、大方は省略しますが、たった今捕らえました アルビオンの間諜から得た情報に、近日中にウェールズ皇太子を暗殺するという ものがありました」 「なんですって!? し、しかし、暗殺の危険は王党派も重々承知しているはず、むざむざ ウェールズ様がやられるとは……」 アンリエッタも顔を蒼白にしたが、一国の王にとって暗殺の危険などは常にあるものである。 怪しい者がおいそれと皇太子に近づくことは不可能なはずで、食事にも厳重に毒見が つくはずだ。 「それが、盲点を突かれました! 絶対に怪しまれずに、皇太子の至近に近寄れる 方法があったのです。その……暗殺者というのは……」 血を吐くように、暗殺者の名を報告したとたん、アンリエッタはひざを落とし、持っていた 王族伝統の杖をカーペットの上に取り落としたが、かろうじて意識だけは残していた。 「そんな、馬鹿な……でも……いいえ、だとしたら……」 「殿下、お気を確かに! 私も信じたくないのは同じです。しかし、この方法ならば確実に ウェールズ皇太子の命を狙える以上、信憑性は限りなく高いのです。今は現実から 目を離している場合ではありません」 アニエスが正気を失いかけているアンリエッタを必死ではげましたとき、謁見の間に 銃士隊員の一人が駆け込んできた。 「報告します。間諜の二人が口を割りました。やはり以前からトリスタニアに潜伏していた ときから、その者たちから軍や政治の内部情報を得ていたそうです」 「そいつが苦し紛れについた嘘ではないのだな?」 「はい、腕の関節を外してやったらあっさりと、我々しか知らないはずの銃士隊や魔法衛士隊の ことも吐きましたので、間違いはないです」 所詮、金に目がくらんだ人間などこんなものであったかとアニエスは思ったが、それよりも 得た情報のほうが問題である。暗部の仕事も請け負う銃士隊は、当然尋問のエキスパートでも あり、情報はきちんと裏を取り、その精度は高い。 「隊長……」 「ああ、これで以前奴隷商人をつぶしたときに、店主が我々の行動を事前に知っていたことも 説明がつく。ちくしょう」 その隊員は、アニエスがこんなに悔しそうな顔をするのを見たことがなかった。 「姫殿下、確かに一大事ではありますが、これは幸いであったかもしれません。この手紙が 今渡ってきたタイミングを考えませば、ウェールズ皇太子はまだ無事です。今からでも 間に合うかもしれません!」 すると、虚無に陥りかけていたアンリエッタの目に光が戻り、聡明な頭脳がすぐさま フル回転を始めた。 「そうですね。こんなことをしている場合ではありませんでした。そうだ、烈風カリン殿と グリフォン隊は今どうしています?」 現在もっとも早く行動できる部隊といえば、カリーヌに訓練を受けているグリフォン隊しかない。 しかし近衛兵から返ってきた答えは、彼女の期待に沿えるものではなかった。 「それが、現在長期飛行訓練のために東国境沿いにまで全部隊で遠征しておいでで、 連絡をとっても戻られるのは明日以降となります」 「ああ、それでは間に合わないではないですか! それに、訓練後ではカリーヌ様の 使い魔もグリフォン隊も疲労しているはず。こうなれば仕方ありません、アニエス、すぐに アルビオンに飛びなさい!」 「御意!」 もとよりアニエスはそのつもりであった。この件には自分自身でけりをつける。それが どんな結末を用意していようと。 「竜籠を使いなさい。それからあなたにはわたくしの勅命で、この国におけるあらゆる権限の 優先権を与えます。ラ・ロシュールの船を徴用してもかまいません、とにかく急ぐのです!」 羊皮紙に大急ぎで必要事項を書き込んだ権限委任状をアニエスに渡すと、彼女は 次にもっとも早い竜を用意するように命じ、さらに右腕であるマザリーニ枢機卿を呼び、 事情を説明した。 「すぐに国内の貴族たちを招集してください。それから、王軍はこれより第一級臨戦態勢に 入ります。場合によっては、数日中に出陣しなければならない事態にもなるかもしれません」 「御意に、しかし我らが動けば残った内通者を警戒させてしまうのではありませんか?」 「かまいません。もうそんな小さなことを気にしている場合ではないのです。それに、 このことが彼らに情報が漏れているのだとけん制することにもなるでしょう」 「わかりました。ですが軍を動かすにはそれなりの準備がいりますので、早ければ 早いほど戦力は下がるということをお忘れなくように」 王女に向かって、ここまで歯に絹着せずに忠告できるのは彼くらいのものだろう。逆に 見れば、それが彼の忠義心の強さを証明するものであったが、アンリエッタはとにかく 急ぐようにだけ命じると、彼を下がらせた。 謁見の間には、アンリエッタと近衛兵だけになり、窓からは赤みを増してきた陽光が 差し込んでくる。彼女は窓際に歩み寄ると、空を見上げて誰にも聞こえないようにつぶやいた。 「ウェールズ様、本当なら今すぐお助けに参りたい。しかし、非力なわたくしではあなたの お役には立てない。せめて、この国の力がもっと強かったら、あなたを助けに兵を送れますのに」 ベロクロン戦で大打撃を受けたトリステイン軍はいまだ再建途上にあり、とても国外に遠征する 余裕などはない。今召集をかけた軍隊も、アルビオン王党派を援護するためのものではなく、 万一彼らが敗れたときのために、後方の逃げ道を確保して、レコン・キスタが勢いに乗って トリステインにまでなだれ込んでこないようにするために、威嚇するためのものだ。むろん、 これにしても今すぐにというわけではなく、それなりに役立たせるようにするためには 時間をかけて準備しなければならない。お話のように「いざ出陣」と王様が言ったら「おおーっ!」 と兵士がついてくるわけではない。彼らに食わす兵糧、持たせる武器弾薬などはかさばり、 輸送のために専用の部隊が必要とされ、その輸送のために計画も必要なのだ。 「時間がほしい……アニエス、なんとしても、なんとしてもウェールズ様をお救いしてあげてください」 赤い光を受けて、アニエスを乗せた竜篭がアルビオンの方角に向けて遠ざかっていくのを、 アンリエッタは必死に祈りながら見守っていた。 続く 前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔
https://w.atwiki.jp/minnaaa01/pages/138.html
____ / ̄ ̄ ̄\ /___ \ / ___ ヽ /| |´・ω・`| | \ /\ |´・ω・`| /\ びきに~ / .|  ̄ ̄ ̄ .| \ / _, |  ̄ ̄⊂二二) | i.▲────.▲─ヽ、_ヽl -★──★-| └二二⊃ 。 l ∪ |_____| | ̄ ̄ ̄▼ ̄ ̄ ̄ノ .| ★ .| ヽ_二コ/ / ヽ / \ / _____/__/´ __ヽノ____ ____ / ̄ ̄ ̄\ / ___ \ / ___ ヽ / |´・ω・`| \ / |´・ω・`| \ ふんどし~~ /  ̄ ̄ ̄ \ / _,  ̄⊂二二) | i ヽ、_ヽl | | └二二⊃ l ∪ | | |──┬─┬──ノ .|─┬─┬─.| ヽ_二|___| / ヽ |__| / _____/__/´ __ヽノ____`´
https://w.atwiki.jp/perotanfenix/pages/29.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (URL) ベラボー 名前 ベラボーマン 分類 ゲーム 説明 正式には、超絶倫人ベラボーマン。フェニがプレイする予定であるゲームの一つである。プレイ済みの人々の評判から察するに、神ゲーだと思われる。 配信での扱われ方 配信内でこのゲームが絶賛されることは多い。